★農薬は使いたくて使っているわけじゃない、と思う

これは、農薬を使わない栽培に関わって分かり始めたことなのですが、今の農業の形や環境が原因で病気や虫の大量発生を招いていることが多々あるようです。

例①:美味しさ、大きさ、量、安さを求められるため、様々な工夫を凝らした肥料が使われます。するとより効率的に栄養を獲得しようとする虫が増え、繁殖しやすくなります。

例②:病害虫を避けるため農薬を撒くことで、一旦生物が激減します。その結果、新たに入り込んだり、生き残った生命力の強い病害虫が天敵がいない状況で大量発生します。

例③:農業地帯で農薬が使われるようになった結果、生物の多様性の崩壊によって、広いエリアで病害虫の大量発生を招くようになります。

例④:殺菌剤や除草剤などの農薬の散布が常態化されることで、土壌の微生物群が崩壊します。その結果、根粒菌や菌根菌などに代表される植物の栄養供給の役割を果たしていた微生物たちも激減し、栄養供給されにくい土壌になります。それを賄うために肥料を撒く必要が出てきます。

農業で栽培の勉強をすると『農薬と肥料はセットで考えるように』と言われます。

上記な例を悪循環とは言いきれませんが、どこかで断ち切る必要が出てくることは間違いないと思っています。

ですが、ごくごく一般的な農薬や肥料を使う栽培をやっている方も、できるだけ農薬を使いたくないはずだと思います。

なぜなら、農薬の購入でお金もかかるし、散布する機械の購入も維持管理にもお金がかかるし、散布する労力もかかるし、何よりも一番農薬の害を受けるのは、作物を食べる消費者よりも散布する農家さんだからです。

無農薬の作物が欲しい、という消費者様に我々は支えられているのですが、現在、飢餓や飢饉という状況に陥らず、経済が回っているのは、ほとんど農薬や肥料などのおかげです。

そういった「国民の食を支えている」という誇りを持って取り組まれている農家さんが多いです。

そのような気概を持った農家さんの多くが、経営を持続させること、安定した食糧生産を行うこと、美味しくて使いやすいサイズに作ること、販売店が喜ぶような見栄えが良いもののや栄養価の高いものを作ることなどたくさんの目的を選択して、何を優先とするかを考えて取り組まれています。

農薬を使わないことが良いこと、ととらわれがちですが、自然環境や経済環境など、複雑に入り組んだ社会の求めに沿って、取り組まれています。


そのためにはどうしても使わなくていけないことがあるのだということをを多くの方々に知って欲しいです。

私たちが自然栽培に取り組めるのは、そのような農家さんの大先輩が食糧供給を支える基礎があるからです。
それを忘れることなく、そして批判することなく我々は取り組んでいきます。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。